CCNAの難易度はどの程度?他資格との比較や取得のメリットを解説します
ネットワークエンジニアやインフラエンジニアとして活動していく上で、CCNA(Cisco Certified Network Associate) を取得しておくことは非常に重要です。
とはいえ、CCNA について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。 まだ受験を迷っているという人も、これから受験しようと決めている人も、まずはじっくりと難易度やメリットなどについて考えてみましょう。
CCNA の受験は有意義なものですから、ぜひこの記事を参考にして対策を講じてください。

エンジニアのコミュニケーションプラットフォーム「Qiita Jobs」
Qiita Jobsは、これまでつながりがなかった人とも話すことによって、刺激を受けたり新しい発見につながるきっかけを創出します。
Qiita Jobsに登録するCCNA の難易度は初心者でも合格できるレベル
CCNA に合格するためには、ネットワークに関する基礎知識が必要です。 基礎的な部分をしっかりと押さえておけば問題はないので、難易度はそれほど高くありません。
ネットワークエンジニアになったばかりの人や、これからネットワークエンジニアになりたいと考えている人でも、あまり身構えることなく受験できる試験です。
ただし、初級レベルだとはいえ 2020 年に難易度が多少上がったことも踏まえておかなければなりません。
ひとくちにネットワーク関連の知識と言っても、その幅は広く設定されています。 CCNA は 2020 年の改定によって、これまで分かれていた他の試験の分野を包括することになりました。 そのため従来よりも学習しなければならない範囲が広がり、簡単ではなくなってしまったのが現状です。
しかし、CCNA は難易度が高すぎて上級者しか受験できないというわけではありません。 前もって対策を講じておけば問題なくパスすることができる試験です。 あくまでも初級レベルであるということを念頭において、敬遠せずに受験しましょう。
CCNA とは
CCNA とは Cisco Certified Network Associate の略で、シスコ社によってネットワーク関連のスキルが認定される資格のことです。
シスコ社は世界規模で大手クラスのネットワーク機器メーカーであるため、シスコ社が認定する CCNA は世界共通です。取得しておくとネットワーク分野において基礎的な知識やスキルを持っていると証明になります。
シスコ社の製品を正しく扱えることの証明にもなるため、取得しておくとスキル面で厚い信頼を得られるでしょう。
CCNA の試験範囲
CCNA では下記の範囲から出題されます。
- ネットワークの基礎
- ネットワークアクセス
- IP コネクティビティ
- IP サービス
- セキュリティの基礎
- 自動化とプログラマビリティ
やみくもに対策するのではなく、分野ごとに得意不得意を判断したうえで効率的に学習を進めると良いでしょう。
出題形式は CBT で、PC を使って解答することになります。 選択問題やドラッグアンドドロップ形式の問題のほかにも、より実践的なキーボードを使ったシミュレーション形式の問題も出題されます。
特にシミュレーション問題は慣れていないと解答するまでに時間がかかってしまいます。 タイムロスは避けたいので、どのような問題が出てもすぐに対応できるようにしておきましょう。
CCNA と他の IT 系資格との比較
ここでは、CCNA と他の IT 系の資格はどのように異なるのか紹介します。 ネットワーク関連の業務を担うエンジニアが受けることが多い他の試験と CCNA の難易度や試験範囲の比較をして、どれを受けるべきなのかを判断するための参考にしてみてください。
余力があれば CCNA の他に挑戦してみるのも良いかも知れません。
基本情報技術者試験との比較
基本情報技術者試験は、IT エンジニアとして初めに取得しておきたい資格です。 ネットワーク関連の知識のみではなく、IT 分野全般を広く知っておかなければならないため、専門性よりも汎用性が重視されます。
問われるのは主にシステムの設計・運用などについてであり、出題範囲はネットワークのみに特化していません。
他にも、ソフトウェアに関する知識やスキルに関しても出題されます。 基本情報技術者試験は CCNA 同様に初心者向けの試験ではありますが、このように出題範囲が大きく異なっているため、受験の際にはスクールや参考書などを活用して適した対策をとりましょう。
ネットワークスペシャリストとの比較
ネットワークスペシャリストは国際的な資格ではなく、IPA(情報処理推進機構)が認定する国家資格です。 取得しておけば年収アップや転職活動において有利になるなどのメリットがありますが、その合格率は決して高くありません。
ネットワークスペシャリストの合格率は毎年常に 10%台で、難易度の高さがうかがえます。 CCNA とは違い小論文が出題されるため、そこでつまずいてしまう受験者が多いのがその理由のひとつだと言えるでしょう。 また、ネットワークスペシャリストの方が CCNA よりも試験範囲が広いことも難易度を上げている一因です。
しかし、ネットワークに関する専門的な知識を有していることが合格の条件であることから、CCNA に合格した後に更に学習を進めて、ネットワークスペシャリストも受験するというルートをたどるのもいいでしょう。
なお、ネットワークスペシャリストは年に一度しか受験日がありません。 その点は十分気をつけて、対策が間に合うように調整しましょう。
LinuC との比較
LinuC はネットワークというよりもサーバー関連の知識を問われる資格です。 インフラエンジニアとしての基礎的な知識を持っていれば、合格することは難しくありません。
CCNA とは違い、LinuC は知識を覚えれば解ける問題が多く出されます。 そのため、難易度は CCNA よりも下がります。
ネットワークだけではなくサーバーについても知っておきたい、学習しておきたいという人や、余裕がある人におすすめの資格です。 どちらも取得しておくと広い知見を持っていると証明できるため、できれば両方取得しておくのが理想的でしょう。
CompTIA Network+
CompTIA Network+ は実務レベルでのネットワークスキルを問われる資格で、そのレベルはあまり高くはありません。 初心者でも合格することができるため、CCNA よりも難易度は低いと言えるでしょう。
ただし、全くネットワークの知識がなく、ゼロからのスタートだとすると、多少学習に時間がかかってしまいます。 ネットワーク分野に関する幅広い知識が必要となるため、初級レベルでも気は抜けません。
なお、CompTIA Network+ は更新しなければ失効してしまう資格です。 資格を取得した年から 3 年の有効期限があるため、保持し続けたいのであれば期限に気をつけて試験に臨みましょう。
CCNA を取得するメリットは 2 つ
ここでは CCNA を取得することによって得られるメリットを 2 つ紹介します。 CCNA は初級レベルではありますが、取得しておくとメリットを得ることができます。
難易度だけにこだわらず、資格を持っているということ自体に意味があると意識しておきましょう。
ネットワークに関する知識があることを証明できる
ネットワークに関する知識を豊富に有していたとしても、それを形にして証明できなければ給与アップやキャリアアップ、転職活動でのアドバンテージにはならないでしょう。
知っているということを証明し、相手にわかってもらうためには資格を取得するのが最も早い方法です。 CCNA もネットワークについて知識が豊富であることを証明するために有用な資格なので、あらゆるシーンで活用することができます。
知識を持っていると口で言うだけではなかなか納得してもらえないものです。 転職活動においては、資格欄に何も書けなければ面接に進むことが難しい可能性もあります。 せっかく知識を身につけたのであれば、資格というわかりやすい形にしておくべきだと言えるでしょう。
ネットワークについて体系的に学べる
CCNA を受験するにあたって、ネットワークについて体系的に学ぶことができるのも大きなメリットです。
ネットワークの分野は必要となる知識が多く、範囲も幅広いのが特徴です。 それらを結び付けつつ学んでいくことになるため、自然と知識が身についていきます。
体系的に学べば数珠繋がりのように知識を増やせるのでおすすめです。
CCNA のおすすめの勉強方法 3 つ
ここでは CCNA の勉強方法を 3 つ紹介します。
CCNA をパスするためには自分に合った勉強方法を知っておく必要があります。 自分に合った CCNA 攻略法を知って勉強に取り組みましょう。
参考書など書籍で学ぶ
参考書は自分のペースで読み進められるため、試験日から逆算して頭に入れていくといいでしょう。
スキマ時間にも読むことができますし、苦手な単元を集中して何度も読み込むこともできます。
講座に通ったり高い費用を払ったりすることにハードルを感じる人には書籍での勉強はおすすめです。 どの参考書を選ぶかという問題については、実際に試し読みをしてみるのがいいでしょう。 口コミなども参考にしながら、なるべく少ない冊数で完結できるようにしてください。
あれもこれもと買ってしまうと、結局どれも中途半端になってしまい試験日までにきちんと読み込めなかったという事態に陥ってしまいがちです。 できれば 1 冊か 2 冊で完結できるようにしましょう。
オンライン講座で学ぶ
オンライン講座は豊富に取り揃えられているため、どれを受講するか吟味しましょう。 また、講座を選ぶ時は何を優先するかをはっきりさせておくと選びやすくなります。 費用か、講義時間か、サポートの手厚さか、PC とスマートフォンの互換性があるかどうかなど、さまざまな視点から講座を選んでください。
オンライン講座はわかりやすく、講師に直接チャットで質問できるサービスがあるものも人気を集めたりしていますが、決して安価ではありません。 受講を始めてから、やっぱりこの講座は自分には合っていないな、と思うようなことがないようにしましょう。
オンライン講座は講師の丁寧な解説が聞けたり、オリジナルのテキストを配布してもらえたりするためメリットが大きいと言えます。
何から始めればいいかわからないという人は、道筋を示してくれるオンライン講座を選択してみるのもひとつの手段です。
公式のチュートリアルで学ぶ
シスコ公式サイトには本番に近いチュートリアルが用意されています。
こちらは英語で書かれているサイトですが、実際の四択問題などが制限時間つきで出題されるので、本番の出題環境を知りたい人にはおすすめです。 本番で気にしなければならないのは制限時間です。 しかし、自習だけでは制限時間を正しく計って問題を解くのは難しいでしょう。 そこで実体験をするために、このチュートリアルが非常に役立ちます。
サイトに日本語がないことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、チュートリアルテストにおいて言語は関係ありません。 一度シスコ公式サイトで自分の実力を確かめてみましょう。
他の方法で十分勉強していても、実際にチュートリアルをしてみたら意外にもあまり点数がとれなかったという可能性もあります。 本番に近い環境で勉強できるのは大きなメリットです。 受験日までに一度は挑戦しておきましょう。
CCNA の受験までの流れ
ここでは CCNA の受験までの流れを紹介します。 せっかく時間をかけて勉強してきたのに受験できなかった、といった事態に陥らないためにも準備はしっかりしておきましょう。
試験日
CCNA の試験日はインターネット上で 24 時間前までに決定することができます。 先に試験会場を選び、その会場で空いている枠に登録することになるため、受験を決めたらできるだけ余裕を持って早めに予約しておきましょう。
試験日は自分で決めることができますが、予約で枠が埋まってしまうとその日は受験できなくなってしまうので注意してください。
試験会場
CCNA の試験会場は予約画面で 3 つまで選択することができます。 最終的にどこで受験するかは希望次第ですが、前述の通り枠が埋まってしまうと選択することができません。
受験料
CCNA の受験料は、税抜き 33,600 円です。 改定前は税抜き 39,600 円でしたが、改定して値段が引き下げられました。
資格には有効期限があるので注意する
CCNA には資格に有効期限が設けられています。 合格日から 3 年間有効期限があるため、3 年以上経っても資格を保持し続けたい場合は再認定を受けましょう。
再認定の方法はいくつかありますが、最もわかりやすいのは ICND1 試験、ICND2 試験、CCNA 試験、CCDA 試験に合格するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。この記事では CCNA の難易度や取得のメリットを解説しました。 CCNA は初級レベルの資格ですが、有用性が非常に高いためおすすめの資格です。
転職活動のためにこれから資格を取ることはもちろん良いことですが、Qiita Jobs なら Qiita での普段の活動をポートフォリオにしてすぐに転職活動を始めることができます。
日頃どのようなことを勉強したりアウトプットをしたりしているかを企業に端的に伝えることができるため、スキルレベルや熟練度のアピール方法に困ることはありません。
また、プロフィールを入力しておくと企業から声がかかる可能性が上がります。 自分の市場価値を知る機会にもなるため、ぜひ登録しておきましょう。
Qiita Jobsに登録するプロフィールを書く関連記事
ネットワークエンジニアとは?仕事内容や必要な資格・未経験から目指す場合のポイントについて解説します
ネットワークエンジニアとは、ネットワークシステムの設計・構築や運用、管理を行うエンジニアです。サーバー同士をつないだり、コンピューター機器の整備などをして…
エンジニアにおすすめの資格21選!実務や転職に役立つ資格・試験を紹介します
転職をしてキャリアアップを目指していたり、新しいことにチャレンジしたいと思ったりしている人もいるのではないでしょうか。今回は、エンジニアが資格を取るメリッ…
シェア
この記事が気に入ったらシェアしてください