ITスペシャリストになるための資格9選!仕事内容や専門分野についても解説します
IT スペシャリストに興味がある、転職して IT スペシャリストとして働きたいという人は多いのではないでしょうか。 IT スペシャリストは非常に人気が高く、やりがいのある職種として知られているため、より深く知りたいところです。
この記事では、IT スペシャリストの仕事内容や必要なスキルについて解説します。
IT スペシャリストについてしっかりと知識をつけて、これからのキャリアについて考えてみてください。

エンジニアのコミュニケーションプラットフォーム「Qiita Jobs」
Qiita Jobsは、これまでつながりがなかった人とも話すことによって、刺激を受けたり新しい発見につながるきっかけを創出します。
Qiita Jobsに登録するIT スペシャリストとは特定分野の専門知識が一定以上ある技術者のこと
IT スペシャリストとは、技術関連について基礎的な知識を一通り持っている上で、特定の分野における専門知識を一定以上持っている技術者を指します。
基礎的な知識を持っていることが前提なので、スキルとしてはかなり高度なものが求められます。 常に新しい知識をアップデートして、どのような事態にも対応できるようにしておく必要があります。
そのため、IT スペシャリストはハイクラスな職種だと言えるでしょう。
IT スペシャリストの定義
IT スペシャリストは、ITSS(IT Skill Standard、IT スキル標準)で定められている専門分野において、レベル 3 以上のスキルをひとつ以上取得することによって認定されます。 ITSS とは経済産業省によって定められた IT 分野で働く人に対するスキル体系です。
ITSS は 7 レベルに分かれています。 「エントリーレベル」となるレベル 1 ~ 2、「ミドルレベル」となるレベル 3 ~ 4、「ハイレベル」となるレベル 5 ~ 7 があり、それぞれのランクで IT スキルの習熟度を図ります。
レベル 1 と 2 は初心者向けで、最低限のスキルを持ち、指揮に正しく応えられ、課題の発見や解決ができることが条件となります。
レベル 3 と 4 は、専門分野を極めている上で自分の力のみで問題を発見・解決することができることが必要条件となります。
レベル 5 は、テクノロジーを独力で創造できること、IT プロフェッショナルとしての実績を持っていることが求められます。
レベル 6 は、企業内外問わず広くスキルを認められており、国内で専門分野を幅広く極めていることが求められます。
レベル 7 は、国内外問わず IT 業界で高いスキルを持っていると認められており、人材として高い評価を得られている人が手に入れられる資格です。
IT スペシャリストの仕事内容
IT スペシャリストの仕事は、システムの設計から保守運用まで、開発における工程の流れのうち専門分野にあたる部分でスキルを発揮し全体をサポートすることです。 しかし、専門的な知識のみを身につけておけばいいというわけではありません。
IT スペシャリストは全体を見て動かなければならないため、広い視野も求められます。 また、システムを開発していく過程でクライアントとの折衝を行ったり、開発チームの中で話し合いをしたりする機会も多くあるため、コミュニケーションスキルも必要とされます。
IT スペシャリストの専門分野は 6 つ
IT スペシャリストの専門分野は大きく 6 つに分かれています。 ここでは、その 6 つがどのようなものかをそれぞれ説明していきます。
システム管理
IT スペシャリストはシステム管理を行います。 システムの開発をする上で、設計の時点から関わり、保守や運用、管理を行う役割を担っています。
また、ハードウェア・ソフトウェアやアプリケーションの運用をするため、それらに関する知識も欠かせません。
システムが常に正常に稼働し、不具合が生じないように確認したり、エラーが起きた時に対処したりするのも IT スペシャリストの仕事です。
セキュリティ
企業が取り扱うさまざまな個人情報を流出や外からの攻撃を守るため、セキュリティシステムなどを構築します。
情報漏洩は企業の信頼に関わる重大な過失となります。 そのため、セキュリティ対策は万全にしておかなければならないと言えるでしょう。
セキュリティ管理が甘くなってしまわないためにも、IT スペシャリストは大きな責任を担っていると言えます。
データベース
データベースの分野でも、IT スペシャリストは重要な役割を担っています。 具体的には、アプリケーションやシステムに関連するデータベースを設計したり、構築したりします。
構築したのち、どのようにテストを行うか手順を作成したり、不具合に対処したりすることも求められます。 不具合が生じないデータベースの設計と、そのスムーズな運用が IT スペシャリストの責務となります。
アプリケーション共通基盤
アプリケーション共通基盤では、導入するシステムに適しているフレームワークやソフトウェアを選定し、ツールを開発したり導入を行っていたりしながら枠組みを作っていくことが求められます。
システムがどのような役割を持っているのかを的確に把握して、適しているフレームワークを作成することは、IT スペシャリストの大きな役割のひとつです。
ネットワーク
ネットワークの領域では、ネットワークを構成する要素を選定し、設計や構築、運用から管理まで全般を担います。 加えて、LAN の構築も行うため、LAN に関する詳しい知識も持っていなければなりません。
他にも、ネットワークの不具合に対処する方法を検討・検証する役割も持っています。
プラットフォーム
プラットフォームについては、アプリケーションやシステムを正しく動かすための基盤となる OS やミドルウェアの設計などを行います。
システム完成後のサポート・不具合対応も行うため、ここでも専門的な知識が必要となるでしょう。
IT スペシャリストと IT アーキテクトの違い
IT スペシャリストと IT アーキテクトはその役割が大きく異なっています。 IT スペシャリストは、プロジェクトの中で専門的な知識を用いて特定の領域においてスキルを発揮します。
プロジェクトチームの中で、その分野におけるスペシャリストとして活動するのが IT スペシャリストの役目です。
もちろん幅広い知識を持っていなければなりませんが、実際に現場で求められるのは専門的な分野においてチームをけん引していける力です。 専門とする分野においては高度な知識も必要となり、チームに貢献するためにも最新の技術や知識を常にアップデートしていく必要があります。
一方で IT アーキテクトは、システムの設計を主軸に活動します。 クライアントとの折衝や現在稼働しているシステムの状況などを考慮して、新しい環境に適したシステムを設計します。
また、技術的な領域で動くスタッフと、その他の領域で動いている部門にいるスタッフとの意見をすり合わせることも IT アーキテクトの重要な役割だと言えるでしょう。
IT アーキテクトの仕事は主にプロジェクト開始以前にあり、開始後に設計を変更する必要がある場合にはプロジェクトマネージャーやシステムエンジニアなどと話し合い、解決策を打ち出していきます。
IT スペシャリストになるために役立つ資格 9 選
ここでは、IT スペシャリストになるために役立つ資格を 9 つ紹介します。 IT スペシャリストとして活躍するためには、資格の獲得が欠かせません。 どの資格を取得すればいいか悩んでいるという人は、ぜひ参考にしてみてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT エンジニアが初めに受けておきたい試験です。
IT 業界で活動するための基礎的な知識や技術が身についているかどうかを確かめる試験であり、上位者の指導のもとにシステムの設計や開発、運用ができるなどといったスキルが求められます。
また、ソフトウェアの開発ができるかどうかといったことも試されるため、その分野の知識もしっかりと身につけ、対策をしておきましょう。
試験は午前の部と午後の部に分かれており、それぞれ 150 分となっています。 出題形式は四者択一形式です。 午前の部は出題数・解答数ともに 80 問、午後の部は出題数が 11 問、解答数が 5 問です。
合格率は 20%~ 30%と低めであり、十分に対策をしておかなければならない試験だと言えるでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、より高いレベルの知識を有することが求められます。
上位者の方針を理解して、自らの力で問題を解決できる知識やスキルを持っているかどうかを試すための試験であり、基本技術者試験の上位ランクに値するものです。
そのため、難易度は上がりますが、自分の市場価値を高めエンジニアとして活躍するにはぜひ受けておきたい試験だと言えます。
試験は午前の部と午後の部に分かれており、試験時間はそれぞれ 150 分です。 出題形式は、午前は四者択一形式、午後は記述式となっています。 午前の部では出題数と解答数ともに 150 問、午後の部では出題数が 11 問、解答数が 5 問です。
こちらも合格率は 20%~ 30%と厳しいところですが、取得しておけば後に有利に働くことは間違いないため、対策を講じた上で挑戦しておきたい試験です。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、主にセキュリティ関連のスキルを確かめるための試験です。 セキュリティの観点からシステムに関して助言や指導ができることなどが条件であり、システムの安全性に特化した知識が求められます。
IT スペシャリストになるためには専門分野に特化する必要があります。 情報処理安全確保支援士試験では、セキュリティ分野に特化していることが試されます。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 2 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 20%です。
データベーススペシャリスト
データベーススペシャリストでは、データベースの分野において管理者となり下位者を指揮することができるほどの知識とスキルを持っているかが試されます。
また、個別のシステム開発においてデータベースに関わるさまざまな技術支援を行えるかどうかも重要なポイントです。
データベーススペシャリストでは SQL に関する知識が多く出題されるため、SQL への関心を高めて知識を深めておく必要があります。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 2 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 14%です。
ネットワークスペシャリスト
ネットワークスペシャリストは、ネットワークシステムに必要なものが何であるかを正しく理解し、安全かつ効率のよい企画や設計、運用を行うことができるかが問われる資格です。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 2 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 12%です。
エンベデッドシステムスペシャリスト
エンベデッドシステムスペシャリスト資格(通称:ES 資格)では loT を含む組込みシステムに関する知識が問われます。 組込みシステムの開発上で必要となる環境の構築、改善ができることが前提となります。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 2 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 16%です。
システム監査技術者試験
システム監査技術者試験は、専門的な知識を持つ者としての立場から情報システムや組込みシステムなどの評価や検証ができるかどうかを測る試験です。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 2 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 15%とあまり高くないため、しっかり対策をして臨みましょう。
IT ストラテジスト試験
IT ストラジスト試験は、IT 技術を活用して企業などの事業に基本的な戦略を提案したり、組込みシステムや IoT を利用してシステムの開発などを行ったりすることができるかどうかを評価する試験です。
企業の IT 戦略や IT を活用したビジネス戦略・企画に関わる人におすすめです。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれており、選択問題では基礎知識が、論述問題での専門・実践知識があるかが試されます。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 4 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 15%です。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験は、システムを開発するプロジェクトにおけるスケジュールを管理し、企画全体をマネジメントするスキルを持っているかが問われる試験です。
試験は午前 1 部 2 部、午後 1 部 2 部に分かれています。
午前 1 部の試験時間は 50 分、出題形式は四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 30 問です。 午前 2 部の試験時間は 40 分、出題形式はこちらも四者択一形式です。 出題数、解答数ともに 25 問です。
午後 1 部の試験時間は 90 分、出題形式は記述式です。 出題数は 4 問、解答数は 2 問です。 午後 2 部の試験時間は 120 分、出題形式はこちらも記述式です。 出題数は 3 問、解答数は 1 問です。
合格率は約 13%です。
まとめ
いかがでしたか。この記事では、IT スペシャリストの仕事内容や目指す時に必要なスキルや資格について解説しました。
IT スペシャリストは専門知識を極めていることから、現場において活躍できる立場にあると言えます。 キャリアアップや転職を目指す人は、この記事を参考に自己研さんをしていきましょう。
エンジニアの転職を支援する Qiita Jobs では、多くの IT 企業の求人を紹介しています。
今すぐの転職は考えていないという人でも、プロフィールを入力しておけば企業からスカウトを受けることができることがあります。 また、魅力的な求人や企業を見つけることもできるでしょう。
ぜひ、今後のキャリア形成のための選択肢の一つとして Qiita Jobs に登録してみてください。
Qiita Jobsに登録するプロフィールを書く関連記事
ITストラテジストとは?試験の内容や難易度・資格取得後のキャリアへの活かし方を解説します
IT ストラテジストは情報処理の試験の中でも難関試験として位置付けられています。資格を取ってキャリアアップに活かしたり、試験で実力を試したりしたいという人…
プロジェクトマネージャーとは?役割から必要なスキルや資格まで解説します
プロジェクトマネージャーは魅力的な仕事ではありますが、その全貌をよく知らないという人も多いのではないでしょうか。しかし、自分もプロジェクトマネージャーにな…
シェア
この記事が気に入ったらシェアしてください